日々の花 010 (06月09日)
日々の花の第十回目です。溜っている写真の中から選定していきますが、基本的には植物全体の姿と近づいて花を撮影したものの二つを基本として掲載しています。
本日(06月09日)については、キツネノボタン、イヌタデ、ハマダイコン、マンシュウキスゲ、ハタケニラを掲載します。
キツネノボタン
キツネノボタン(狐の牡丹)はキンポウゲ科キンポウゲ属の多年草で、田の畔や流れの淵などやや湿ったところに生育しています。日本の北海道・本州・四国・九州、朝鮮半島南部に分布し、葉の形が牡丹の葉に似ているけれども、牡丹ではなくだまされたということでキツネノボタンと名付けられたと言われています。
拡大した花
イヌタデ
イヌタデ(犬蓼)はタデ科イヌタデ属の一年草で、道端、畑などで普通に見られる雑草です。''イヌ''には役に立たないという意味があり、役に立つタデはヤナギタデで葉に辛みがあり香辛料に使われていましたが、葉に辛味がなくて役に立たないという意味で「イヌタデ」と名付けられました。
花穂には紅色の小さい花をびっしりとつけますが、花は実になっても紅色の花弁に包まれたままで、一つの穂につぼみ、花、果実が混在する状態が長く続きます。赤い小さな花や果実を赤飯に見立て、別名アカノマンマとも呼ばれています。アジアの温帯から熱帯に広く分布し、日本では北海道から、本州、四国、九州、沖縄に分布しています。
拡大した花
ハマダイコン
ハマダイコン(浜大根)はアブラナ科ダイコン属の越年草で、別名ではホソダイコン、ノダイコン、イソダイコンとも呼ばれます。野菜のダイコンよりも葉や根は硬いものの、強い辛味と香りがあり、若葉などを食用にすることができます。
日本全国(北海道から琉球諸島まで)に分布し、海岸や河口の砂地、海岸沿いの草やぶに自生しており、大半は海岸の砂地に群生していますが、ごく稀に海岸から離れた場所に生えています。
ハマダイコンは栽培種のダイコンやハツカダイコンを含めて同一種とする見解があり、花もよく似ており、見分けがつきません。しかし、最近の遺伝子的な研究によって明らかになってきた結果、栽培種とは離れた系統であり、古い時代に野生化した自生種に近い種と考えられています。
拡大した花
マンシュウキスゲ
マンシュウキスゲ(満州黄菅)はススキノキ科(ワスレグサ科)ワスレグサ属の多年草で、原産地は中国、シベリア東部です。日本の北海道などに自生するエゾキスゲの母種とされています。
草丈は50〜100㎝ほどで全体に華奢な印象で、葉は根出葉で長さ20〜70㎝、幅5〜18㎜ほどの剣状になっています。花はレモンイエローからオレンジ色の6弁花で、夕方開花して翌日の午後までに萎みます。
拡大した花
ハタケニラ
ハタケニラ(畑韮)はヒガンバナ科ネギ亜科ステゴビル属の常緑多年草で、名前に「ニラ」とある通りニラに似てはいますが、全くの別種です。日本では荒地や農地、舗装路の裂け目などに生育している雑草ですが、明治時代中期頃に園芸用として持ち込まれたものが野生化した北アメリカ原産の帰化植物です。ハタケニラは球根と種子で繁殖していく植物で、球根も種子も数が多いことから繁殖地を大きく広げる傾向にあり、そのため日本固有植物への影響が懸念され、とくに農地での繁殖が問題になっています。
ハタケニラとニラは葉や花の様子が良く似てはいますが、少しづつ違いがあります。その違いには①ニラのような臭いがしないこと、②ハタケニラの葉には筋があり、そこからV字型に折れ曲がっていますが、ニラの葉は平たく筋も目立たないこと、③ハタケニラの葉は食用にならないことなどがあります。
拡大した花









