海岸段丘の農園日誌

湘南の海岸段丘の一角に借りている家庭菜園などで行っている色々な活動を記録しています。

日々の花 011 (06月11日)

 日々の花の第十一回目です。溜ったものや日々新たに撮影した写真の中から選定していきますが、基本的には植物全体の姿と花に近づいて花を撮影したものの二つを基本として掲載しています。
 本日(06月11日)については、ウコン、イモカタバミ、グラジオラス、ザラツキエノコログサ、エノコログサを掲載します。


 ウコン
 ウコン(鬱金)はショウガ科ウコン属の多年草で、インドが原産であり、紀元前からインドでは栽培されています。「鬱金」の原義は「鮮やかな黄色」で、呉音「ウッコン」が転訛しウコンとなったと言われています。ウコンの品種は約50種類ほどあり、インドだけで30種類を越える品種が育てられていますが、日本には18世紀(享保年間)に渡来し、南九州、沖縄、小笠原など温暖な地方で栽培されています。
 ウコンの根茎はショウガのような外見をしており、食用にしたり、生薬やスパイス、色付けなどとして幅広く利用されています。カレースパイスの一つ、「ターメリック」になることでもよく知られており、古くから黄金色の着色料としても使われ、キゾメグサ(黄染草)の異名があります。カレーの黄金色はウコンの色ですが、辛子や沢庵漬けの色付けなどにも使われています。


 拡大した花


 イモカタバミ
 イモカタバミ(芋片喰)はカタバミ科 カタバミ属の地下に芋を作る多年生植物で、南アメリカの南部のアルゼンチン、ブラジル南部、ウルグアイなどの比較的標高の高い地域が原産地です。日本には戦後に観賞用として輸入されたものが、逸出して野生化して日本各地で生えています。地下の塊茎によって増え、塊茎が節のように分離することから、別名をフシネハナカタバミ(節根花片喰)とも言います。


 拡大した花


 グラジオラス
 グラジオラスはアヤメ科グラジオラス属の植物の総称で、日本には自生種はなく、園芸植物として植えられています。別名はトウショウブ(唐菖蒲)、オランダショウブ(阿蘭陀菖蒲)で、日本では明治時代に輸入され、栽培が開始されました。
 原産地はアフリカ・地中海沿岸などで、赤、黄、橙、白などの花を開花させます。グラジオラスの名前はその葉が剣のようなので Gladius(ラテン語で「剣」)に因んで名づけられました。春に球根(球茎)を植え、夏の7 - 8月にかけて開花する春植え球根として流通しているものが一般的ですが、一部の原種には秋植え球根で、春に開花するものもあります。


 拡大した花


 ザラツキエノコログサ
 ザラツキエノコログサ はイネ科エノコログサ属の一年草の植物で、エノコログサに似てはいますが、穂から突き出す刺毛が強くざらついていることで区別されています。穂が互いに引っかかり合って絡まっていることがしばしばあります。
 和名は小穂の基部から出て穂を包むように生えている刺毛にざらつきがあることに基づいています。原産地は南ヨーロッパとされており、オーストラリアや北アメリカなど世界の暖地に広く帰化しています。日本では本州の関東以西、四国、九州に稀に現れ、琉球列島では各島に帰化していますが、特に沖縄島に多いと言われており、人里の道路脇などに多く見られます。


 拡大した花


 エノコログサ
 エノコログサ(狗尾草)は、イネ科エノコログサ属の一年生草本で、ブラシのように長い穂の形が独特な雑草です。夏から秋にかけてつける花穂が犬の尾に似ていることから、犬っころ草(いぬっころくさ)が転じてエノコログサという呼称になったとされており、漢字でも「狗(犬)の尾の草」と表記します。ネコジャラシ(猫じゃらし)という俗称は花穂を猫の視界で振ると、猫がじゃれつくことからきています。穀物のアワ(粟)の原種とされ、交雑もよくおきます。
 全世界の温帯に分布しており、日本でも全土の日当たりのよい畑地、荒地に分布しています。縄文時代前半までは分布していませんでしたが、日本にはアワ(粟)作とともにアワの雑草として伝わったものと推測されています。


 拡大した花

×

非ログインユーザーとして返信する