日々の花 008 (06月06日)
日々の花の第八回目です。溜っている写真の中から選定していきますが、基本的には植物全体の姿と近づいて花を撮影したものの二つを基本として掲載しています。
本日はヤマボウシ、イヌマキ、ナツツバキ、ザクロ、ハコネウツギを掲載します。
ヤマボウシ
ヤマボウシ(山法師)は東北南部~九州に分布するミズキ科ミズキ属の落葉小高木で、低山の林地や草原に自生しており、原産地は日本、中国、朝鮮半島です。初夏に咲く清楚な花や晩夏に熟す赤い果実を愛でるために公園、街路、一般家庭の庭等にも植栽されています。1875年には日本からヨーロッパへ渡り、現在では多くの国で親しまれています。
ヤマボウシの開花は葉が展開し終えた5~7月頃で、一方、近縁種のハナミズキは葉が展開する前に開花しますので、ハナミズキに比べて遅いです。花は短い枝の先に伸びる長さ10㎝ほどの花柄に咲き、花びらのような見える「総苞片」が目立っています。総苞片は昆虫などを花へ誘引する役割を持ち、本当の花は総苞片の中心にある淡い黄緑色の球体で、30~40輪の小花からこうせいされえいます。
拡大した花
イヌマキ
イヌマキ(犬槙)は裸子植物のマキ科マキ属に分類される雌雄異株の常緑針葉樹の1種で、葉は細長いが扁平で中央脈が明瞭になっています。日本の関東地方から台湾、中国南部などの暖地に天然分布していますが、植栽されて庭木や生垣、防風林とされています。また木材としても利用されており、特に沖縄では白アリに強いことから重用されてきました。
イヌマキという名の由来には諸説ありますが、上品なイメージがあるコウヤマキ(高野槙)をホンマキと呼ぶのに対して、葉や姿形が劣る本種をイヌマキと呼ぶようになったというのが一般的な説です。イヌマキは幹が螺旋状に成長するため割れが入りやすく、材木としてはスギなどの針葉樹材より劣るためにイヌマキと呼んだという説もあります。
拡大した花(雄花)
ナツツバキ
ナツツバキ(夏椿)はツバキ科ナツツバキ属の落葉小高木・高木で、原産地は日本、朝鮮半島で、日本では宮城県以西の本州、四国、九州に分布しています。仏教の聖樹である沙羅双樹に似ているということで、別名ではシャラノキ、シャラ(沙羅)などとも呼ばれています。樹皮に美しい斑模様があり、初夏にツバキに似た白い花を咲かせます。和名のナツツバキの由来は花や葉の形がツバキに似ており、夏に花が咲くことからきています。
拡大した花
ザクロ
ザクロ(石榴)はイランのザクロス山脈を原産地とするザクロ科ザクロ属の落葉小高木で、日本には鬼子母神の神話とともに平安時代に渡来しました。日本では渡来当時は果実を薬用として使用し、現在では花や果実を鑑賞するために植えられています。果実は食用になることから最も古くから栽培された果樹の一つです。ザクロという名前は原産地名(ザクロスあるいはザグロス山脈)に由来するという説と、漢字表記の石榴(セキリュウ)の音が転訛したものとする説があります。
拡大した花
ハコネウツギ
ハコネウツギ(箱根空木)は日本原産のスイカズラ科タニウツギ属の低木~小高木の落葉広葉樹で、北海道南部、本州、四国及び九州に分布しています。日当たりの良い沿岸部の山地に自生していますが、庭木として庭園や公園にも植栽されています。
ハコネウツギの開花は5~6月で、枝先や葉の付け根付近に、漏斗型の花を2~3輪ずつ咲かせます。特徴としては、咲き始めの花は白色ですが、開花中に色素が変化して、順次、薄ピンク、紅色と三段階に移り変わっていき、変わった三色が一つの枝で同時に見られることです。
拡大した花









