海岸段丘の農園日誌

湘南の海岸段丘の一角に借りている家庭菜園などで行っている色々な活動を記録しています。

様々な春の花 8

 様々な春の花の8回目です。
 本日はシバザクラ、ナデシコ、ハマダイコン、パンジー、ユリオプスデージー、ネモフィラ、ノースポールギク、ストロベリーキャンドル、ラナンキュラスを掲載します。


 シバザクラ
 シバザクラ(芝桜)は草丈5cm〜10cm程になる北アメリカ原産のハナシノブ科フロックス属の多年草で、日本では4、5月頃に花を咲かせます。シバザクラの茎は節から根を出しながら地を這って広がり、枝を密生させますが、その基部は木質化します。葉は対生する単葉で、長さ1cm~2cm程の先端が尖った狭披針形で、全縁となっています。常緑で、地面を覆いつくすように密生し、土の流失も防ぐため、花壇の縁取りや石垣、のり面などで利用されています。
 シバザクラの花は桜の花に似ており、茎先に集散花序を出し、径1cm〜2cm程の花を多数付け、花冠は長い筒部があり、先が5裂して平らに開き、裂片の先端は浅く2裂します。萼は5深裂し、萼片は披針形で、雄しべは5個あります。花色は紅色、ピンク、青紫、白色などと多様になっています。


 ナデシコ
 ナデシコ(撫子)は4月~11月にかけて花を咲かせるナデシコ科ダイアンサス属の花で、基本的に丈夫で育てやすく、良い環境で育てれば主に春から初夏にかけて花をたくさん楽しめるもので、その可憐で奥ゆかしい花姿は日本でも昔から長く愛でられています。
 ナデシコは世界中に約300種が存在し、広くはカーネーションやカスミソウもナデシコ科の仲間の植物になります。赤、赤紫、紫、ピンク、黄色、白、黒など多彩な花色があり、品種改良によって園芸品種の種類も豊富です。ナデシコは寒さにも強いので温暖な地域では冬越しが可能な品種が多く、鉢植えはもちろん花壇でも育てられ、切り戻して数回花を楽しむことが出来ます。ヒメハマナデシコ、シナノナデシコ、カワラナデシコ、ハマナデシコが日本で固有種として分布している種で、秋の七草の一つにもなっています。


 ハマダイコン
 ハマダイコン(浜大根)は海岸沿いなど浜辺に自生している野草で、道端など砂地に広く生育しており、日本各地の日当たりのよい場所でよく見かけられます。分布域については普通のダイコンが栄養を蓄えた畑の土で育つのに対して、ハマダイコンは水はけがよく乾燥した場所で育つという特徴が反映されているからです。
 かつてはダイコンとハマダイコンは同じ品種で、ダイコンが野生化したものであると言われていましたが、近年の遺伝子研究などによってダイコンとは別の品種であることが明らかになりました。しかし、どちらもアブラナ科ダイコン属に属していますので、全くの別物というわけではありません。


 パンジー
 パンジーは、スミレ科スミレ属に属するヨーロッパに自生する野生種から育種され、かつては大輪のものをパンジー、小輪で株立ちになるものをビオラと呼んで区別していましたが、現在では複雑に交雑された園芸品種が登場してから、区別されず、全てがパンジーと呼ばれるようになりました。
 野生種や初期の品種は冬の低温にあったのちに、長日下で開花する性質をもっていましたが、現在ではその性質が弱まり、10月下旬から5月中旬までの長期間咲く品種が多くなっています。花色は、赤、白、ピンク、黄、オレンジ、青、紫、茶、黒、複色の多種多様となっています。 


 スパニッシュブルーベル
 スパニッシュブルーベル(ツリガネズイセン:釣鐘水仙)はスペイン・ポルトガルが原産の多年草で、地面下に薄黄色をした直径1~2cmの球根があり、球根からは2~6個の葉と高さ約20~50cmまで伸びる花茎が生成されます。葉は球根から出る根生葉のみで構成され、葉の色は光沢のある緑色、葉の形は広線形もしくは剣形で長さ20~50㎝×幅1~4㎝あります。花は花茎が20~50cmまで伸び、花茎には12~15個の花とがぶら下がる様に総状花序につき、個々の花は鐘形で青色(~紫色)の花被片が6個と青色の雄蕊6個と雌蕊があり、各花の付け根には青色の苞葉が1個あります。花は受粉すると果実(蒴果)が出来て3つに分かれた部屋の中に黒色の種子が入っています。
 開花時期は春から晩春、花色は青色や紫色、桃色や白色があり、個々の花は鐘形で6個の花被片があり、花序は花茎に12~15個の花を総状花序に咲かせます。
 和名ツリガネズイセン(釣鐘水仙)の由来は「釣鐘」に似た花姿と「スイセン」に似た葉からきています。


 ネモフィラ
 ネモフィラはムラサキ科ネモフィラ属に分類される植物の総称で、和名をルリカラクサ(瑠璃唐草i)と呼びます。ネモフィラ属は、カナダ西部からアメリカ合衆国西部、メキシコにかけてとアメリカ合衆国東南部に11種が分布している。
 ルリカラクサは、種としては園芸上ネモフィラと呼ばれ、耐寒性の一年草です。草丈10 cm~20 cm 、茎は匍匐性(ほふくせい)で横に広がります。葉には羽状の深い切れ込みがあり、茎と葉に柔毛があります。花は4月-5月に開花し、花径は2 cmくらいで、白に空色または青紫色の深い覆輪があり、中心部に黒い点が5つあります。


 ノースポールギク
 ノースポールギク(カンシロギク:寒白菊)は、キク科フランスギク属の半耐寒性多年草ですが、高温多湿に極端に弱いことから、日本では一年草として扱われています。和名の由来は、花付がよく株全体を真っ白に覆うように見えるところが北極を連想させることによりますが、旧学名またはシノニムの「クリサンセマム・パルドスム」と表記されることもあります。原産地はアフリカのアルジェリア周辺ないしはヨーロッパで、地中海沿岸に広く分布しており、日本へは1960年代に入って輸入されました。
 草丈は15cm-25cmほどになり、矮性でよく分枝します。まだ寒い12月ごろから翌年6月までの長期間、マーガレットによく似た白い花を付けます。


 ラナンキュラス
 ラナンキュラスはキンポウゲ科キンポウゲ属で、原産地は西アジアからヨーロッパで、別名は「花金鳳花(はなきんぽうげ)」です。園芸種として出回っているのは、「ラナンキュラス・アシアティクス」の改良種がほとんどを占め、ヨーロッパを中心に、日本でも品種改良が行われています。日本には、明治時代中期に渡来したと言われています。
 名前の由来は、ラテン語で「カエル」を意味する「ラナ」と言われています。これは、ラナンキュラスの仲間の多くが「カエル」が住むような湿地に自生することにちなみます。
 栽培上は、秋植えの球根に分類され、早春から春にかけて、切り花や鉢花として出回ります。花は、絹や紙のように薄い花びらが幾重にも重なって、肌ざわりがよく、色も赤、ピンク、オレンジ、白、黄色など豊富で、球根は根が肥大した「塊根」でサツマイモやダリアと同じです。

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