海岸段丘の農園日誌

湘南の海岸段丘の一角に借りている家庭菜園などで行っている色々な活動を記録しています。

様々な春の花 2

 春の花の2回目です。
 本日はカラクサケマン、オウバイソケイ、ツルニチニチソウ、コマツナ、ペチュニア、ツリージャーマンダー、マルス・シルウェストリスを掲載します。


 カラクサケマン
 ヨーロッパ原産のケシ科の帰化植物で、明治の末に札幌市に渡来した記録があります。日本を含む暖温帯に広く帰化して、平地の道端、畑や山裾の明るい場所に生育しています。ムラサキケマンに似ていますが、果実は球形で直径25mm、一つの種子が入っているので区別できます。花は1月~4月、9月~11月に咲きます。カラクサケマン(唐草華鬘)の名前は、仏殿の装飾に使用される華鬘(ケマン)に似ていることから取られています。


 オウバイソケイ
 オウバイソケイ(黄梅素馨)は中国を原産地とするモクセイ科ソケイ属の落葉低木で、日本には江戸時代の寛永年間に伝来しています。中国名を「迎春花」といい、早春にウメに似た黄色い花を咲かせるため、オウバイと名付けられました。オウバイソケイはジャスミンの仲間で、英名を「Winter Jasmmine」といいますが、香りはありません。
 花は葉が出る前の2~4月で、ウメと同時期に開きます。ウメは5枚の花弁が独立する「離弁花」で多数の雄しべが目立ちますが、オウバイは6枚の花弁が根元で合着している「合弁花」で、雄しべも2本しかありません。枝はつる状に垂れ下がる「半つる性」で、これもウメとは異なっています。さらに、挿し木で簡単に増やせ、枝は緑色で断面は四角なっており、草丈は長さ60~180㎝ほどになります。


 ツルニチニチソウ
 ツルニチニチソウ(蔓日々草)はヨーロッパ原産のキョウチクトウ科のツルニチニチソウ(Vinca)属のつる性の多年草として分類されています。ツルニチニチソウは茎が地表を這い、節から根を下ろして広がりますので、グラウンドカバーに利用されたり、コンテナや吊り鉢の縁から垂らすなど、長いつるを生かした形などで利用されています。花は春から初夏にかけて、立ち上がる茎の葉腋に青や白色の花を咲かせますが、花よりもむしろ、葉に斑の入る品種がガーデニング素材として好まれています。緑葉に白や黄色の斑が入る品種があり、斑の入り方にも変異がありますが、斑入り品種は花つきはあまり良くないようです。本種は耐寒性、耐陰性、耐乾性に優れており、周年観賞できます。


 コマツナ
 コマツナ(小松菜)は、緑の葉を食べるアブラナ科の野菜で、味に癖が殆ど無く、下処理なしで料理ができます。例えば、汁物やおひたし、漬物、炒め物、スムージーなどに幅広く使えます。カルシウムは野菜の中で最多と言われていて、鉄分やビタミンBやビタミンCなどの栄養素も豊富です。
 栽培され始めた場所が東京都江戸川区小松川付近であったことから、コマツナ(小松菜)という名が付いたと言われています。原産地については日本である、中国であるという両方の説があり、花はアブラナ科共通の黄色の花が咲きます。


 ペチュニア
 ペチュニア(ツクバネアサガオ:衝羽根朝顔)はナス科ペチュニア属の草花で、南アメリカに自生するペチュニア・アキシラリス、ペチュニア・インテグリフォリアをもとに、ヨーロッパやアメリカで品種改良が進み、多様な品種がつくり出されました。太平洋戦争前には世界に先駆けて日本の種苗会社が八重咲き品種の商業化に成功して、注目を集めました。
 1985年ごろからは品種改良に、ほふく性のペチュニア・アルチプラーナなどを利用することで、それまで実生系のみだったペチュニアに、栄養系の園芸品種が誕生しました。従来の実生系とは異なり、雨に強く大きく育つため大人気となり、ヨーロッパの窓辺を変えたと称されたこともあります。さし芽をして冬越しさせれば多年草として扱えますが、次第にウイルス病に侵されて観賞価値が下がるので、新しい苗が必要になります。葉に細かい毛があって、べたつきますが、このべたつきは病害虫から身を守ることに役立っています。


 ツリージャーマンダー
 ツリージャーマンダーはシソ科ニガクサ属の半耐寒性常緑低木で、シルバーがかった葉が美しく、シルバージャーマンダーとも呼ばれる地中海沿岸産の低木で、花や葉がハーブとしても利用されています。細い枝が根元から多数立ち上がって50~150㎝の灌木状になりますが、耐寒性はー5℃までですので、冬は注意が必要と言われています。初夏から夏に咲く特徴のある大きな青い花が美しく、鉢植えで楽しんだり、花壇のポイントに使ったり、また暖かいところでは刈り込みして生垣にすることに向いています。


 マルス・シルウェストリス
 マルス・シルウェストリス(Malus sylvestris:学名)は英語名がCrab appletと言われて、ヨーロッパ中部が原産のバラ科リンゴ属の落葉高木です。林内や潅木帯などに生え、高さは9メートルほどになります。5月ごろ、白色から淡いピンク色の花を咲かせ、果実は9月から10月にかけて熟します。かつては、現在栽培されている「りんご」の祖先のひとつだと考えられていましたが、DNA検査の結果などから今では違うとされています。

×

非ログインユーザーとして返信する