海岸段丘の農園日誌

湘南の海岸段丘の一角に借りている家庭菜園などで行っている色々な活動を記録しています。

様々な春の花 3

 春の花の3回目です。
 本日はシラン、ニイタカシャクナゲ、トキワマンサク(白・赤)、ルリフタモジ、イベリス、ツバキを掲載します。


 シラン
 シラン(紫蘭)は鉢植えでも庭植えでも楽しめる、丈夫で育てやすいランの入門用の品種です。関東地方以西の本州、四国、九州の里山の土手や崖に生えるものであるといわれますが、古くから植栽植物として親しまれているため、こぼれダネでふえたものも多く、野生種か植栽種かの区別がつかず正確な分布は不明瞭です。
 春になると、地下に連ねた扁平な地下球(偽球茎)からササのような葉茎を伸ばし、先端に赤紫色の華麗な花を咲かせます。晩秋には葉を落とし休眠します。


 ニイタカシャクナゲ
 シャクナゲ(石楠花)類は園芸的にはロードデンドロンとよばれ,ツツジ科ツツジ属Rhododendronの常緑性の低木または小高木をさしていますが、日本では昔からシャクナゲの名は、シャクナゲ節に属するものにのみの、狭い意味に使われてきていました。日本産のものだけを扱っていれば問題ないですが、外国から多くの種類が入ってきますと、バイカツツジ節の常緑性のものや、セイシカ節、ヒカゲツツジ亜属の種類など、園芸的にはシャクナゲの名を広い意味で使わざるをえない状況になります。ここでは狭義の意味のシャクナゲ節について少し記述します。シャクナゲ節にはアウレア系、ポンティクム系、ヒメナンテス(アルギロフィルム)系、マクリフェラ系の4系統があります。
 マクリフェラ系のニイタカシャクナゲ(R.pseudochrysanthum Hayata)は台湾の高山帯に分布しており、中国大陸の中部、西部に8種の仲間が分布しています。葉の裏面に小さな腺点が散在するのが特徴です。台湾の亜高山帯に生育するモリシャクナゲはこの亜種で花が大きく、花冠内面に鮮やかな赤色の斑点があり、美しい花を咲かせます。花の白色のものが台湾北部に分布しており、アカボシシャクナゲといいますが、どちらも日本で栽培されており、屋外で育ちます。


 トキワマンサク(白)
 トキワマンサク(常盤万作)は、マンサク科トキワマンサク属に1種のみ知られている常緑樹です。しなやかな枝に卵形の小さな葉が優しく揺れる姿が人気となっています。花は細いリボンのような4枚の花弁があり、春の開花期には枝先に集まるように咲くため株全体が花に覆われ、遠くからでもその姿が楽しめます。緑の葉に黄色みを帯びた白い花が輝くように映えて見えます。


 トキワマンサク(赤)
 トキワマンサクの園芸品種には葉に赤みを帯びるものや花色が赤いものもあり、周囲の植物と組み合わせて幅広く楽しめる花木です。


 ルリフタモジ
 ルリフタモジ(瑠璃二文字)は南アフリカ、ジンバブエ原産で、英名はwild garlic といわれるように、傷つけるとニンニクの匂いがします。別名はツルバギア・ビオラケアで、森林の林縁および川岸に生えていますが、世界中で栽培されています。
 常緑多年草で、高さ20~35㎝になり、耐寒性があり、広がって群生し、強い芳香があります。葉は直立し、8~10枚つき、線形~狭い紐状、長さ17~50cm×幅0.35~0.7cm、先は鈍形、基部は鞘状で、わずかに肉質で、傷つけると強いニンニク臭があります。花茎は高さ30~50㎝、花序は頂生となっており、幅5~7㎝の散形花序に花を15~20個つけて、明るい紫色の花です。


 イベリス(キャンディタフト)
 イベリス(キャンディタフト)は、砂糖菓子のようなかわいい花が株を覆うように春に咲きます。名前は、スペインの昔の国名のイベリアに由来しており、この地域に多く自生していることから付けられています。中国名では屈曲花(マガリバナ)と呼ばれ、これは太陽を向く性質が強くて花茎が曲がりやすいことに由来します。
 4枚の花弁のうち、外側の2枚が大きくなるのが特徴で、小花が多数集まって大きな花房になります。花房は、咲き始めは平らですが、咲き進むと盛り上がって長い穂になります。イベリス属には40種ほどがありますが、一年草では、「ヒアシンスフラワー」とも呼ばれるアマラ種(lberis amara)と、花色の多いウンベラータ種(I. umbellata)が多く栽培されています。多年草では、常緑性で耐寒性が強く、トキワナズナやトキワマガリバナとも呼ばれるセンペルビレンス種(I. sempervirens)が多く栽培されています。


 ツバキ
 ツバキ(椿)はツバキ科ツバキ属の常緑高木で、ふっくらとしたバラのような花と光沢のあるグリーンの葉が特徴の花木で、日本や中国、東南アジアなどに分布しています。日本では九州から青森まで分布しており、自生しているツバキの代表はヤブツバキで、原種は花色は赤、一重咲きですが、このヤブツバキから作出された多くの園芸品種が存在します。ツバキは昔から、花の美しさを愛で、椿油を美容に用い、木材としても利用されており、日本人にとって非常に身近な樹木です。

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