海岸段丘の農園日誌

湘南の海岸段丘の一角に借りている家庭菜園などで行っている色々な活動を記録しています。

様々な春の花 4

 春の花の4回目です。
 本日はムラサキハナナ、ミツカドネギ、ペチコートスイセン、コウボウムギ、オランダミミナグサ、スズメノカタビラを掲載します。


 ムラサキハナナ
 ムラサキハナナ(紫花菜)は、中国原産のアブラナ科オオアラセイトウ属の秋まき一年草です。大変丈夫な植物で、こぼれ種から開花して野生化していることがしばしばあり、空き地などでも見かけられます。ハナナという名前が付いていますが、ハナナとは別属です。本種の標準和名は、牧野富太郎博士の命名したオオアラセイトウですが、菜の花に似ているところから一般にはムラサキハナナと呼ばれています。
 草丈は50㎝ほどになり、花は紫~藤色の花径2.5㎝ほどの一重の4弁花です。耐寒性 は強く、戸外で冬を越して、寒さにあわないと花は咲きません。若い葉や花が食用として利用されています。


 ミツカドネギ
 ミツカドネギ(三角葱:アリウム・トリクエトルム)は、地中海沿岸地方に分布するヒガンバナ科ネギ属の多年草です。分布域は南西ヨーロッパ、北西アフリカ、北大西洋のマデイラ諸島、カナリア諸島に広がっており、牧草地や伐採された森林などの日当たりの良くやや湿り気のある場所に自生しています。ミツカドネギはハーブの一種で全草が食用とされており、バターと混ぜてガーリックバターのように使用したり、葉や花を炒め物にしたり、球根はピクルスなどに利用されています。
 草丈は15㎝~60㎝で、花期は4月~5月で、花期になると、葉の中から伸ばした花茎の先に花序を付け、数輪の花をまとまって咲かせます。一つの花茎には3~15輪の花が付き、花は径1~2㎝程度の釣り鐘形です。


 ペチコートスイセン(ゲンシュスイセン)
 ペチコートスイセン(原種スイセン)は、ヨーロッパ南西部に分布するヒガンバナ科スイセン属(ナルキッスス属)の多年草で、牧草地や、森林の開けた場所などに自生しています。ペチコートスイセンとして流通しているのは、主にナルキッスス・バルボコディウム種(Narcissus bulbocodium)とその園芸種、同種との交雑種などです。
愛らしい花を咲かせることから、世界で広く栽培されているスイセンの一種で、原種、または原種に近い形で品種が流通しているので「原種スイセン」とも呼ばれています。
 草丈は10㎝~20㎝で、花期は1月~3月で、花色は黄色と白のものがあります。花期になると、葉の間から花茎を伸ばし、頂部に花径3㎝前後の花を一輪、横向きに咲かせます。花は、外側で横に開いた6枚の花被片と、内側で漏斗状になっている副花冠から構成されていますが、花被片は細い剣形で、副花冠は大きく前に突出します。副花冠の形がペチコートに似ていることが「ペチコートスイセン」の名前の由来となっています。


 コウボウムギ
 コウボウムギ(弘法麦)は、単子葉植物のカヤツリグサ科スゲ属の多年草で、砂浜に群生する海浜植物の一つです。
 特徴は砂の中に長く匍匐茎を延ばし、各所から地上へ出る茎を伸ばして、砂の上から見れば、やや間を開けて砂の表面に葉を出した群落になります。葉は根出状に出て、黄緑色でつやがあり、厚みがあって硬く、先端へと細まって巻き、葉の縁には鋸歯があります。
 花茎は春に出ますが、スゲ属では数少ない雌雄異株で、稀に同株や一つの穂に両方の花が出ることもあります。花茎は高さ20cm位になり、硬くて直立し、先端に太い淡い黄緑色の穂を一つ着けますが、実際には短く詰まった多数の小穂が集まったものです。雄花の穂はこん棒状で、全面から葯が出ていますが、雌花序もこん棒状になっており、一面に果胞がつきます。果胞は長さ1cmほどでかなり大きく、楕円形で偏平、先端ははっきりした長い嘴になり、その縁に鋸歯が見られます。
 コウボウムギ(弘法麦)の名前の由来は、茎の基部の分解した葉鞘の繊維が筆を作るのに使われた事から、「筆ならば弘法大師(空海)様だ」というようなことのようです。別名としてフデクサというのもあります。
 分布域は日本(北海道~琉球諸島)、朝鮮、中国東北部・北部、台湾、ウスリー諸島となっています。


 オランダミミナグサ
 オランダミミナグサ(和蘭耳菜草)は、ナデシコ科ミミナグサ属の植物で、小さい一年草の雑草です。ヨーロッパ原産で、北アフリカ、アジア(日本を含む)、オセアニア、北アメリカ、南アメリカの世界中に外来種(帰化植物)として分布しています。
 植物体全体に腺毛が生えており、茎は直立して、高さ10〜30cmになり、スプーンに似た葉が対生しています。茎は上に向けて二叉分枝し、先端に集散花序をつけます。花弁の先は2裂していますが、開いていることは少なく、 花弁は5枚で、花の色は白です。畑地、草地、荒れ地、道端など、全国至るところに生えています。種子繁殖をして、秋に発生し、花期は3〜5月です。


 スズメノカタビラ
 スズメノカタビラ(雀の帷子)は、単子葉植物イネ科イチゴツナギ属の一年草で、冬を越して越年草となることもありますが、身近にごく普通に見られる雑草で、芝生に似ているため「芝もどき」とも呼ばれています。
 稈は株立ちし、高さ5~30センチメートル、軟弱でざらついていません。地下茎はなく、数本が株立ちになっており、株全体が黄緑色で柔らかいです。茎は葉の基部の鞘に包まれ、葉は平らで短めの線形で、真直ぐに出ますが、先端がやや窪んで受けた形になっており、長さ4~10センチメートルです。
 花序は円錐花序になっており、季節を問わずに出ますが、主に春に開花します。花序の枝が横に広がるのが特徴で、小穂は卵形で長さ3~5ミリメートルで、ときに紫色を帯び、左右から偏平で小花は3~5個でます。
 名前の通り「雀(すずめ)の」「帷子(かたびら)」という意味が、そのまま名前の由来になっています。「かたびら」とは着物のことで、穂が集まっている咲く姿が、雀サイズの着物に見えたことから付けられています。
 非常に広範囲に生育し、道端、庭の隅、畑など、おおよそ雑草の生える場所ならどこにでも生えていますが、どちらかと言えば湿った所を好み、田植え前には一面に発生することもあります。分布域も広く、国内は全土に、国外では南極大陸にも帰化しています。ヨーロッパ近辺が原産とも言われていますが、不明です。

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