海岸段丘の農園日誌

湘南の海岸段丘の一角に借りている家庭菜園などで行っている色々な活動を記録しています。

様々な春の花 5


   春の花の5回目です。
 本日はソメイヨシノ、ヤエザクラ、アキグミ、アメリカシキミ、ジューンベリー、ブルーベリー、サツキ、ツツジを掲載します。


 ソメイヨシノ
 ソメイヨシノ(染井吉野)はバラ科サクラ属の高木で、江戸時代末期に、染井村(現在の東京都豊島区駒込)の植木屋がオオシマザクラ(大島桜)とエドヒガンザクラ(江戸彼岸桜)を交配して品種改良して作出され、「吉野桜」と命名されていましたが、吉野山の山桜と間違えないように「染井吉野」と改名されました。
 ソメイヨシノは花が大きく香りもよい「大島桜」の華やかさを、花が咲いたあとに葉が出てくるという「江戸彼岸桜」の特徴がより引き立て、見事な咲きっぷりで一躍人気品種となり、明治の中頃より日本各地にソメイヨシノが多く植えられたということです。「桜の開花情報」の「桜」は気象台が定めるなどした特定のソメイヨシノを意味するなど、現代の観賞用のサクラの代表種となっています。
 しかし、全国のソメイヨシノは遺伝的には同一のものであるということが明らかにされており、ソメイヨシノ自体には子孫を残す能力がないため、接木で増やしています。丈夫な山桜などと違って、公害に弱く、病気にも侵されやすい品種ですので、一年を通して管理していく必要があります。


 ヤエザクラ
 ヤエザクラ(八重桜)はバラ科サクラ属の落葉高木で、一つのサクラの品種を示すのではなく、サクラの中でも八重咲きになるものの総称です。ヤエザクラは一般的にはソメイヨシノよりも開花が二週間ほど遅いという特徴があります。サクラの代表的な品種のソメイヨシノは花が咲いてから葉が芽吹くのに対して、多くのヤエザクラ(八重桜)は、開花時に葉も同時に芽吹きます。
 一般的なサクラの花弁は5枚で、これを一重咲きとしています。サクラの場合には6枚以上花弁があるものを八重咲と分類しています。より細かく区別をすると、6枚から15枚花弁を「半八重咲」、20枚から70枚の花弁を「八重咲」として、さらに、100枚以上のものを「菊咲」と分類しています。半八重咲きと八重咲きのものを区別するために八重咲きをボタンザクラと呼ぶ場合が多いと言われています。


 アキグミ
 北海道南西部から沖縄まで、日本全国に自生するグミ科の落葉樹で、日当たりのよい原野や川原などの水辺に見られ、日本以外でもヒマラヤや中国に分布しています。根がよく発達して痩せ地でも育つため、治山のための土留め、海岸の砂防、風除け等として植栽されています。花や果実に観賞価値があるとして近年では庭木としても使われています。
 葉は長さは5~8センチ程度の楕円形で縁にギザギザはなく、先端が尖り、基部はクサビ形になります。若い葉の裏側と柄は白銀の毛で覆われ、光沢がありますが、葉は枝から互い違いに生じるが、枝のところどころには棘があります。
 アキグミの開花は4月~5月で、花がびっしりと咲き、咲き始めの花は白ですが、やがて黄色へと変化します。花に花弁はなく、花弁のように見える萼は、先端が四つに裂けます。開花期には周囲が独特の香りに包まれ、蜂類がたくさん集まります。
 9~10月頃になると赤くて丸い果実(正確には偽果)ができ、果実は球形で表面に毛があり、大きさは6~8mm程度です。完熟すれば生食できるものの、渋みがあって美味とはいえないので、果実酒やジャムなどに加工して使う方が良いとみられています。メジロ、ツグミ、カワラヒワなどの野鳥はこの果実を採食します。
 アキグミという名前は、文字どおり秋にグミの実ができることによります。「グミ」は口に含んで食べる「含み」を語源とする説、刺を意味する「グイミ」を語源とする説があります。アキグミの材は緻密で手触りがよく、道具の柄に使われています。


 アメリカシキミ
シキミが属するマツブサ科アメリカシキミ(亜米利加樒)は北アメリカの南東部が原産とされる常緑低木で、分布域はフロリダ州北部・ジョージア州から海岸沿いの平野に沿ってルイジアナ州まで広がっており、峡谷や湿地帯、小川沿いの地域に自生しています。
 樹高1.5~3mに成長し、開花期になると、直径2.5~5㎝の濃紅色の星のような形をした花を咲かせますが、稀に白やピンク色花を咲かせる個体もあります。花被片は21~33個、雄しべは多数、雌しべは11~21個あります。観賞植物として人気があり、より自然環境に近いナチュラルガーデンに適しています。葉は傷付くと八角に似た香りがしますが、花は生の魚に似た匂いがするそうです。


 ジューンベリー
 北アメリカを原産とするバラ科の落葉小高木で、桜が咲く頃に、白い5弁の花を房状に咲かせます。正式なセイヨウザイフリボク(西洋采振木)というのが正式な和名です。6月ごろに果実を収穫できることから、ジューンベリーという俗称がついています。赤黒く熟す実は甘みがあり、ジャム、果実酒等に利用でき、鳥も好んで食べにきます。新緑や秋の紅葉、独特の色合いを持つ木肌など、花や実のない時季でも独特の雰囲気があるために人気が高い果樹です。花粉樹が要らずに一本だけでも結実するため、果樹の中では扱いやすい部類に入ります。


 ブルーベリー
 ブルーベリー(和名:ヌマスグリ(沼酸槐)、英名: blueberry)は、ツツジ科スノキ属シアノコカス節に分類される落葉低木およびその果実の総称です。果実は生食・加工いずれにも用いられます。英名のブルーは果実の青紫色に由来して、ベリーは小さな果実の意味です。 20世紀の初めより、アメリカ、カナダ原産の種類から品種改良が始められ、今日では世界の温帯圏で広く栽培される果樹になっています。
 ブルーベリーは大別して、6系統(種・タイプ)ありますが、栽培種にはハイブッシュ系とラビットアイ系の2系統があります。
 ハイブッシュ系
九州から北海道まで栽培が可能で、収穫期は6月~7月になります。土壌の酸度を酸性に的確に調整する必要あります。この系統は、ノーザン、サザン、ハーフの3種に分かれており、寒さにはノーザン、ハーフが強く、暑さにはサザンが強いです。この系統は果実の粒が大きく、果皮も柔らかいです。
 ラビットアイ系
寒さに弱いため、栽培適地は関東地方以南になり、収穫期は7月~8月になります。酸性土壌を好みますが、ハイブッシュ系よりも酸度が低くても生長します。果実の粒はハイブッシュ系よりは小さいものが多いです。


 サツキ
 サツキは常緑の低木で、関東地方以西の本州のほか、屋久島に隔離分布しています。日当たりがよく、増水すると水没してしまうような川沿いなどに自生しています。開花期は5月下旬から6月上旬で、ヤマツツジなどよりも1か月ほど遅く咲きます。園芸用に乱獲されたほか、河川の護岸工事、ダムの建設によって生育地が少なくなり、絶滅が懸念される植物の一つです。
江戸中期にツツジのブームがあり、数多くの園芸品種が作出されました。これらをおおまかに区別するために、4月から5月中旬に開花するものを「つつじ」、5月下旬から6月上旬に開花するものを「さつき」と呼び始めました。「さつき」のほとんどは遅咲きの野生のサツキ(ロードデンドロン・インディカム)を改良したものなので、「さつき」イコール「サツキ」、またはその園芸品種という概念ができました。日本原産の植物なので、栽培は容易です。


 ツツジ
ツツジ(躑躅、映山紅)は、ツツジ科の植物であり、学術的にはツツジ属(ツツジ属参照)の植物の総称である。ただしドウダンツツジのようにツツジ属に属さないツツジ科の植物にもツツジと呼ばれるものがあるので注意が必要である。
 古くから栽培されるツツジは、日本人に最も親しまれている植物の一つといえるでしょう。
ツツジの名は、一般的にはサツキを除く、半常緑性のヤマツツジの仲間(ツツジ属ヤマツツジ節)の総称として使われますが、落葉性のレンゲツツジや常緑性で葉にうろこ状の毛があるヒカゲツツジなどを加えることもあります。
ヤマツツジの仲間は、アジア東部に約90種が分布します。日本には花の美しいヤマツツジやキシツツジ、モチツツジ、サツキなど17種ほどが自生します。江戸時代中期に、‘本霧島’や‘白琉球’、‘大紫’など現在でも栽培される数多くの園芸品種が作出されました。また、クルメツツジは江戸末期に作出され、明治から大正にかけて多くの品種がつくられています。
栽培されるツツジは、日本に自生する野生種をもとに改良されているので、いずれも栽培は容易です。鉢植えでも庭植えでも楽しむことができます。

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